年末年始、短期間でしたが、念願だったキプロス島にモザイクをみにいってきました。
最初に訪れたこのクリオン遺跡は 紀元前14世紀ペロポネス半島から入植したギリシャ人によってつくられた都市で、4世紀末におこった地震により崩壊するまで栄えました。
保存状態のよい円形劇場をはじめ、当時の人たちの豊かな暮らしの残り火が
写真奥にうつる「地中海」の波音と共に
心地よく感じられる最高のロケーションです。
(時代を越えて同じ空間を聴覚で共有できることに感動)
写真のモザイクは、この街をおそった壊滅的な地震(紀元365年)の後15年をすぎてもクリオンの街が復興できない現状に心を傷めた『エウストリウス』という裕福な人物が
円形劇場の隣に古代ローマ時代からの邸宅のあとに建てた大浴場のあとです。
ここでまず注目したいのが、エントランスの床に描かれたモザイクのメッセージ。
ギリシア語で
ΕΙΣ(ΑΓΕ) ΕΠΑΓΑ(ΘΩ) ΕΥΤΥΧΩΣ ΤΩ ΟΙΚ(Ω)
“Enter and bring good fortune into this house.”
という意味の碑文がかかれています。
このメッセージ、私達にむかってもなげかけているのでしょうか?
玄関のモザイクをつくる時この碑文、つかえそうですね!
「客人が福をもたらす」という精神は裏返していえば
「おもてなし」の気持ちのあらわれ、この浴場の建築の跡をみていると
様々な部屋や浴室に施主のその精神があふれているなと思いました。
そしてもちろん!モザイクもそのおもてなしに欠かせない役割をになっていました。
つづきはまた写真とともにViaggio Mosaico
「モザイクを巡る旅」のブログにも少しづつ投稿いたしますね。